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2014年2月11日 (火)

Conformity(画一化)社会と発達障害2

Image4  2月に入って立春も過ぎたのに、相変わらず最高気温が氷点下の真冬日が続いている。
 雪も相変わらず多く、裏庭は完全に雪で埋まってしまった。
 
(←上:雪で埋まった裏庭
道路に面した生垣の部分の段差が雪で埋まって見えなくなっている。
下:去年の夏至の頃の裏庭)

 前回の記事で、誤信念課題について書いたのだけれど、いただいたコメントの中に、正常と異常について興味深いコメントがあったので、今回は正常と異常に関連した記事を書いていこうと思います。
 
 随分以前に書いた記事に、日本は極端な画一化社会で、日本人の多くは「違う」という言葉にネガティブな印象を持っていることについて書きました。 
 
 日本で発達障害を持つ息子の子育てをしていた時に疑問に思ったのは、「普通(または健常)以外は『異常』だ」という考え方が一般的だということ。
 いわゆる「健常児」の親だけでなく、ハンディをもった子どもの親も、教育者さえも「普通以外は異常」と考えている人が多かった。
 私もアメリカで暮らすまでは、似たような考え方だった。
 
 ところが、アメリカで暮らして暫く経つと、「発達障害者に定型発達の人が考えた療育プログラムを一方的に押し付けるのって、傲慢なんじゃないか」と、思えて来た。
 なぜなら、ハンディを持っていることは、心身が健康かどうかにはあまり関係がないからです。
 健常と呼ばれる人たちでも、病気になれば「異常」な状態だし、治療が必要になってくる。
 じゃあ、ハンディをもった人たちはいつも異常で、治療が必要なのかというとそういうわけでもない。
 
 私の感覚では、ハンディは異常(治さなければならないもの)というのではなくて、標準的な(スタンダードな)規格の範疇に収まらない状態だと思っています。

Img_0192s  例えば、私の身長は150cmで、日本女性の平均的な身長の範囲内に収まる身長です。
 日本の賃貸住宅の流し台の高さは80cmか85cmで、私の身長には丁度良い高さでした。
 
 ところが、アメリカでは私の身長は平均よりも低いらしく、どの家のキッチンのカウンターも私には高すぎて使いにくかったです。
 それもその筈、アメリカのキッチンのカウンターの高さは90~95cmが標準で、日本のスタンダードなカウンターの高さよりも10cm以上も高かったのです。

Img_0304s 日本では標準的な範疇に収まる私が、アメリカに行った途端、標準から外れてしまうので、「異常」かと言ったらそうではなくて、アメリカの標準の規格に合わせる不便さは出てくるものの、私自体の身長を標準に合わせて引き伸ばす必要はないのです。
 
 高めのカウンターに慣れるとか、吊り棚の手の届かない部分には頻繁に使うものは置かないとか、高いところのものは踏み台を使うとか、工夫は必要になってきますが、アメリカのスタンダードな規格のキッチンカウンターでも十分に使いこなすことができます。
 
 ハンディについても似たような感じで、スタンダード規格に合わせるには少し不便で何らかの工夫は必要だけれど、ハンディがあること自体は「異常」ではないのです。
 
 スタンダードはあくまで多くの人が共有できる目安であって、絶対的な基準ではないのだけれど、日本ではスタンダードが異常と正常を分ける物差しになってしまうことが多い。
 
 大量生産の工業製品などは、規格に厳密に従った画一化された製品を作っていくことは重要だけれど、人間や付加価値の部分については、スタンダードを外れたオーダーメイドの部分がもっと普及しても良いのではないのかなぁ…と、思う。 
 

 

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コメント

>ペリカンさん
 訪問&コメントありがとうございます。
 私も心理学者ではないので、発達障害については学問的にはわかりませんが、発達障害と診断された息子を育てていて、色々考えさせられました。
 
 
>toraさん
 コメントありがとうございます。
 夫に聞いたら、アメリカの小便器はかなり高いそうです。
子どもは個室で用を足すしかない、と言っていました。
 男性用の便器だけでなく、女性用のトイレの便座も高いものが多いです。
私が腰掛けると足が届かないこともあります。
そうかと思ったら、日本の便座よりも低いものもあって、座るとドアの下から見えてるんじゃないかと思うものもあります。
 アメリカのトイレって…
 
 
>梓さん
 訪問&コメントありがとうございます。
 個性が否定される日本の「普通」のレンジは狭いですよね。
定型発達の人も、無理して合わせている部分もあると思いますよ。
 
 
>ミナゾウさん
 コメント&お褒めの言葉ありがとうございます。
 日本は画一化が進んでるからいい面もあるのですけれどね、マイナスの面もありますよね。
良い面を生かしつつ、マイナスを克服することができると良いのですがね…
 
 
>おきらく龍さん
 訪問&コメントありがとう~
 「個性的な人=協力や協働のできない人」みたいに考えちゃうから、個性的であることが否定されちゃうんでしょうね。
 考えや思いまで完全に一致させるのは難しいのに…それを求めるのが日本の風潮なんですよね。
 
 
>モッチーヌさん
 訪問&コメントありがとう~
 私は発達障害が精神の疾患に分類されること自体に疑問を持っています。
障害や疾患と言うよりは、特性と言った方がしっくりくるかもしれない、と思っています。
でも、一般的には「異常」と認識されているのですよね…

投稿: yuuki | 2014年2月13日 (木) 04時00分

以前、yuukiさんの『Conformity(画一化)社会』の記事を読んだとき
子どもにSSTを受けさせることが道徳的に正しいのか疑問に思いました。
発達障がいとは脳の使い方がちょっと違うだけで障がいでもなんでもないので。
SSTを受けさせるということは、つまりフツーと呼ばれる人々に
合わせてあげていることになるんですよね。
だから、本当はフツー人(じん)ももっと理解して合わせるべきだと思うんです。

それから日本で普通か異常かを決めるボーダーは
なんとなく精神科系の疾患にあるように思っています。
怪我や病気に罹ったら明らかに身体的に異常であるのに
『異常』だなんて誰も言いませんよね。
日本人には精神異常という古典的差別的概念が根強いのかもしれません。
だから、子どもの発達障がいに気付いても世間体を気にして受診しない親も多いです。
でも私は、発達障がいは本当は脳科学的または人間学的な分野だと思っています。

投稿: モッチーヌ。 | 2014年2月12日 (水) 09時05分

何処から何処までが正常かなんて
そんなの誰にも明言は出来ないような・・

「他人と違う」という事は 決してマイナスな事ではなく ただ他人と違うだけ! それぞれの個性! そんな風に考えられる人間に子ども達にはなってもらいたいナ^^

投稿: ★おきらく龍★ | 2014年2月12日 (水) 02時51分

こんばんは!
正常でなければ異常…確かにおかしな感じですね。
改めて考えてみるとおかしい?と思うことは身近にいっぱいあるのかも。
テストは受けたことないけど、自分が人と同じように考えて行動できるかということについては甚だ自信ないです。
この記事の内容はとてもわかりやすくて飲み込みやすい。。
すごくいい記事ですね。

投稿: ミナゾウ | 2014年2月11日 (火) 23時26分

yuukiさんに同感。
私は最近やっと、自分のアスペの分析をしながら生きる道を模索しています。
長男(アスペ)に対する時も同じように 彼と真剣に向き合って分析して、トラブルに対処する。
すると 定型者中心社会が求める「正常範囲」が物凄く小さい!
こんな範囲内に収まれる人達って ある意味貴重じゃないか…って感じます。
正常範囲内に入る事を止めたら 生きやすくなりましたよ。
まぁ 表向きは「標準」のフリをしなくちゃならないから 毎日疲れるけれど、気の持ち方が変わっただけでストレスは激減しましたo(^-^)o

投稿: 梓 | 2014年2月11日 (火) 19時47分

男性諸氏にはお分かりと思いますが、、、、アメリカの小便器、やけに高い!!!
標準的な日本人が用を足すのは大変なんだから!!!
アメリカの少年はどうやっているのだろう??

詩人で書家の「相田みつを」の作品を二点。

トマトにねぇ
いくら肥料をやったってさ
メロンにはならねんだなあ

しあわせはいつも
じぶんのこころがきめる

投稿: tora | 2014年2月11日 (火) 11時33分

発達障害。そう言われると凹みますが、少し(多くでも同じです)違いがあるというだけの話。ルスツリゾートにも発達障害の外国人、日本人、沢山居ました。ハハハ。プロフィールに書いた通り、街に出て見れば余りに多くの発達障害の人に出会って頭が痛くなります。むろん、人から見れば私こそが発達障害なのでしょうよ。あくまでも主観的、相対的なものでしかありません。(学問的な知見ではありませんが、私はそう考えております。)

投稿: ペリカン | 2014年2月11日 (火) 10時15分

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