Billは2015年のイギリスのファミリー・アドベンチャー・コメディー映画。
劇作家であり文豪のウィリアム・シェークスピアが有名になる前の若い頃を想像して描いたフィクション映画。
(シェークスピアが劇作家になる以前の生活は不明で、色々な疑惑や学説が飛び交っている。)
主な役柄は、テレビの子供番組'Horrible Histories'と'Yonderland'シリーズの俳優や女優が演じている。
30歳のウィリアム・シェークスピア(マシュー・べイントン)はストラトフォード=アポン=エイヴォンに年上の妻のアン・ハサウェイ(マーサ・ホーダグラス)と3人の子どもたちと住んでいる。
今まで色々な仕事を点々としてきたが、どれも長続きせず、その当時やっていたリュートの演奏家も首になってしまい、妻のアンにそろそろ身を固めてはどうかと勧められるが、ウィリアム(=ビル)は劇作家になりたいといいだす。
ビルの住んでいるストラトフォードには劇作家の仕事はなく、アンは猛反対するが、ある朝ビルはこっそり家を出て都会のロンドンに向かう。
富と名声を求めてロンドンに出てきたビルだが、田舎から出てきた無名の(しかもまともなシナリオの書き方すら知らない)劇作家の需要はなく、市場で着ぐるみを着て客引きをする仕事をすることになる。
時は1549年、ペストと戦争(カソリックとプロテスタントの宗教戦争)の時代で、スペイン(カソリック)のフェリペⅡ世(ベン・ウィルボンド)とイギリス(イギリス国教会)のエリザベス女王(ヘレン・マックローリー)が大西洋の覇権争いで対立している。
スペインの船数多くがイギリスの海賊に略奪され沈没させられたことにフェリペⅡ世は非常に腹を立てており、イギリスに仕返しして侵略し、イギリスを再びカソリックの国に戻す機会を狙っている。
(←エリザベス女王役のヘレン・マクローリー)
そんな中、エリザベス女王は、スペインのフェリペⅡ世をイギリスに招いて、王宮で劇を上演することにする。
(←クロイドン伯爵役のサイモン・ファーナビー)
クロイドン伯爵(サイモン・ファーナビ―)は自称文豪と触れ回っていたため、女王から劇の手配と上演を任される。 しかし、クロイドン伯爵はシナリオも書けなければ、役者を集めることも演技のことについて何も知らない状態で途方に暮れる。
(←フェリペⅡ世役のベン・ウィルボンド)
イギリスに招かれたのを機会にエリザベス女王を亡き者にしようと企んだフェリペⅡ世は、暗殺団を編成して変装して招待された日よりも早くイギリスに入って暗殺の陰謀の準備を始める。
フェリペⅡ世は自分の歓迎パーティーに宮殿で劇が上演されることを聞きつけ、暗殺団を役者として宮廷に送りこみ、舞台の道具と共に火薬を持ち込み、エリザベス女王の宮殿を女王もろとも吹き飛ばす計画をたてる。
フェリペⅡ世はクロイドン伯爵が宮廷で開かれる劇の担当になっているという情報を知り、クロイドン伯爵の家に押しかけ、自分の家来(本当は暗殺団)を役者として使ってくれれば、スペインとイギリスの友好にもなると説得。
何から始めたらいいのか途方に暮れていたクロイドン伯爵は渡りに船とフェリペⅡ世の提案に乗るが、肝心の劇のシナリオが全くできていない。
ひょんなことで劇作家を目指しているビルの事を知り、シナリオを書いて演出もするように依頼。
ビルは自分が書く劇が女王暗殺に使われるとは知らないまま、千載一遇のチャンスと友人のクリストファー・マーロウ(ジム・ホーウィック)に手伝ってもらって初めてのシナリオを書くが…
この作品に出てくる役者は一人何役もこなしていて、例えば主役のビルをやっているマシュー・べイントンは、バーリー公爵役、イギリスのメッセンジャー役、税関の役人の役もやっている。
クロイドン伯爵役のサイモン・ファーナビーは、フアン・ドミンゴ(暗殺団の一人)役、市場の客引きソーセージ役、ドミトリー・アレクサンドロビッチ役、毛皮商人の役もやっている。
脇役だけでなくメインキャラクターまで複数役を演じているので、観ていて(私って白人の見分けがつかない~あれもこれも同一人物に見える~o(T^T)oと)混乱した。
が、後で配役を見て同一人物とわかって納得がいった。
誰がどの役を兼任しているのか見つけながら観るのも面白いかも…
他には(↑のThe game is afoot.※のシーンように)英語の有名なフレーズや言いまわしとかをパロディーにしたシーンもあった。
そんなの英語が母国語でない私にはわからないので笑えない。
私がイギリス人だったらもっと面白く見られたのかも…
この作品の邦題や日本での公開やDVDやブルーレイの情報を知るためにネットで調べたのだけれど、今のところ(2017年5月現在)何の情報もみつからなかったのが残念です。
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