
アメリカの大統領の任期は4年、上院議員の任期は6年、下院議員の任期は2年です。
2年ごとに、下院議員全員と上院議員の1/3が改選になるので選挙が行われます。
(↑「選挙の日11月8日。正午に開店します。店員と顧客に投票の時間を与えるため。」と、いうBath&BodyWorksのお知らせ。)
選挙の日は偶数年の11月の第一月曜日の翌日の火曜日で、今年(2022年)は11月8日で、下院全議員と上院100人中35議員、州や地区の知事が39、その他市や自治体や判事などの選挙も同時におこなわれました。

今年の選挙では主に『妊娠中絶(Abortion)禁止の是非について』が政治的な問題として議論されています。
議論の発端になったのは、去年テキサス州で実施された『ハートビート法』です。
この法律は胎児の心拍が確認出来るようになって以降の中絶を禁止する法律で、近親相姦、性的虐待、レイプ、妊婦の健康問題などの例外が一切認められず、中絶に関わった医師や医療関係者、ほう助者、妊婦を乗せたドライバーまでが犯罪者として訴えられて、罰金最低10万ドル(1ドル100円換算で1000万円)と服役が科されるという法律です。
ドライバーまでが訴えられる理由はアメリカでは各州で法律が違うので、妊娠中絶が合法の州に行って中絶手術を受けることを防ぐためです。

(↑妊娠中絶禁止の州と合法の州のマップ
えんじ色:禁止もしくはほぼ禁止
オレンジ:最近法廷で(中絶の権利が)妨げる判決が出た
薄いピンク:合法
ピンク:合法で中絶の権利が保護されている
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washingtonpost.comより引用)
テキサス州の『ハートビート法』の一つの問題点は、胎児の心拍が確認できるのは妊娠5~6週で、1~2週は排卵も起こっていない期間で、妊娠できなかった場合は4週目の終わりごろに生理が来るので、5週目~6週目だとあまりにも妊娠初期で、妊娠に気が付かない女性が殆どだということです。
他の問題点は、近親相姦、性的虐待、レイプ、妊婦の健康問題の例外が認められない事です。
特に家族や身近な人から性的虐待を受けている子どもなどが妊娠した場合、6週目以前に妊娠に気が付いて中絶できる可能性は極めて低く、気が付いたとしても12歳の少女が中絶手術を受けるには年齢的に若すぎると判決を言い渡され中絶できなかった例もあるようです。
法律の問題点だけでなく、テキサス州ではレイプも頻発しているため『ハートビート法』以前にレイプ防止の対策などが行われないままの施行となったこと、施行後も有効なレイプ抑止の対策がされないままだと言う事で、多くの反発を呼び中絶禁止賛成派と反対派でデモが行われるようになりました。
2022年の6月24日には最高裁で、1973年に中絶禁止を違憲として女性の堕胎の権利を認めるロー判決を覆す判決が出たため、アメリカのすべての州に中絶禁止問題が飛び火して、アメリカ全土で法廷で審議されたり、市民のデモや議論が活発に行われるようになりました。
基本的に、共和党は中絶禁止(Proh-life)、民主党は中絶の権利の保護(Pro-choice)のスタンスです。
コロナのパンデミックで景気がよくないところに、ロシアのウクライナ侵攻でガソリン価格が上がって物価が高騰。
物価は上がるのに給料は上がらないので、現政権の民主党に対して不満を持っている人が多く、今回の選挙は共和党有利と言われていましたが…
結果は続きを読むから…
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