この間、夫の職場の日本人同僚Sさんがが夫にDIYのやり方の相談に来ていて、同僚Sさんの奥さん(日本人)がCOVID-19のmRNAワクチンの接種に反対していて、家族にも受けさせないと言っていて困っていると、愚痴をこぼしていました。
Sさんはワクチンを接種しないと会社に行けないので、ワクチンを受けたらしいのですが、S奥さん自身は絶対に受けないし、子どもにも受けさせない‼と、断言しているそうです。
Sさんが別の日本人同僚SMさんに、S奥さんがmRNAワクチンの接種に反対していて困っていると愚痴ったら、SM奥さんもmRNAワクチン反対派だったようで、S奥さんに「大丈夫、私(SM奥さん)もmRNAに反対だから」と、電話がかかって来たそうです。
S奥さんとSM奥さんによると、mRNAワクチンは新しいタイプのワクチンでどのような副反応や弊害が出るのかまだわかっていないから、だそうです。
まぁ、確かに全世界レベルの人体実験と言えばそうかも知れないけれど、mRNAワクチンも従来のワクチンと大差ないのに、どうしてなんだろう?と、疑問に思ったのでmRNAワクチンと従来のワクチンの違いを調べてみました。
(↑抗体が関与する免疫反応
Prentice Hall Biology, 2006, pp.1039, figure 40-9, 'Humoral Immunity' より引用、日本語加筆)
ワクチンについて知るためには、まず、私たちの免疫の働きを理解する必要があるので、免疫反応の図をアメリカの高校の生物の教科書から拝借しました。
私たちの免疫反応は2通りあって、
1.Bリンパ細胞(球)が関与する免疫反応:抗体を作って抗原をもつ病原体を破壊または無毒化する
2.Tリンパ細胞(球)が関与する免疫反応:Bリンパ細胞を活性化したり、病原体に感染した細胞を破壊する。
2つの免疫反応で生産された抗体やキラーT細胞は、感染が収まると抗体を作るプラズマ細胞が死んだり、抑制T細胞によって生産を止められる。
Bリンパ細胞もTリンパ細胞も抗体やキラーT細胞を生産するだけでなく、メモリーB細胞やメモリーT細胞を作って、次に同じ抗原が体内に入って来た時に備える。
(↑細胞媒介性免疫反応
Prentice Hall Biology, 2006, pp.1040, figure 40-10, 'Cell-Mediated Immune response' より引用、日本語加筆)
ワクチンは抗原を体内に注入して、疑似的に免疫反応を起こさせて免疫を獲得させる目的で接種される。
だそうです。
従来のワクチンは病原体の一部や弱毒化した病原体を抗原として体内に注入していたけれど、mRNAワクチンは抗原の設計図(mRNA)を体内に注入して、人体の細胞に抗原を生産させて、免疫反応を起こさせる。
COVID-19のmRNAワクチンに含まれている抗原の設計図は、表面のトゲトゲの部分のみの設計図で、mRNAが細胞に取り込まれると、感染した時のようにウィルス全部をコピーして大量生産するのではなくて、表面のトゲトゲの部分だけを生産して免疫反応をおこさせる仕組み。
だそうです。
よく、「細胞内に入ったmRNAは私たちの遺伝情報などに影響しない?」と、言う疑問をメディアやネットで見かけるのですが、mRNAは使い捨てのDNA(オリジナルの設計図)の一部のコピーで、DNAの情報を書き換えるものではないです。
大学の教養の生物学の先生が言っていたのですが、
DNAはオリジナルの料理(たんぱく質)のレシピ本のようなもので細胞の核の中に納まっている。
その中から1つの料理を作りたい時に、オリジナルのレシピ本全部をキッチン(細胞質)に持って行って使うと、汚れたり、破けたり、燃えてしまったりするかもしれないし、必要なのは1つの料理のレシピだけなので、オリジナルの本から必要な部分のレシピだけをコピーして核の外(細胞質)に持ち出す。
このコピーがmRNAで、mRNAは使い捨てで何度も繰り返し使えるようにはなっていない。
そうです。
実際mRNAは脆くてそのままでは体内に注入できないので、脂質の膜で覆ってワクチンに使っているくらいだし、保存時に厳しい温度管理が必要で保存の期間も限られている。
そりゃそうだだよねぇ、
もしもmRNAワクチンが私たちの遺伝情報(DNA)を書き換える事ができるなら、美人のmRNAを作って注入すれば、美容手術なんかしなくても美人になれちゃう。
そんな都合のいい話あるわけない。(あったら、遺伝病とか克服できるのに…)
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